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ハッブル図

このプロジェクトはもともとスペイン語で書かれたもので、ロサ・ゴンサレスさんによって翻訳されました。

私たちは膨張する宇宙の中に生きているという考えは、20世紀の物理学におい て最も重要な予期せぬ発見の一つでした。何万年もの間、天文学者を含むすべ ての人々が、宇宙は定常で変化がなく、天文学的な現象もすべてそのような中 で起こると思い込んでいました。しかし1910年代から1920年代にかけて、何人 かの物理学者や天文学者が簡単には説明できない現象をいくつか発見しました。 これらの発見は、エドウィン・ハッブルという名の天文学者の頭の中で一つに まとまり、彼は1929年にこれらすべてを膨張宇宙の理論で説明しました。こ のプロジェクトではハッブルの手順をたどり、彼が見たのと同じ奇妙な現象を見 ることになります。あなたはきっと自分でも宇宙が膨張していることを発見す るでしょう。

膨張宇宙の発見

ハッブルの発見は、幸運にも理論と観測がそろって発展した15年間の後に なされました。1915年、アルバート・アインシュタインは重力がどのように働くか を説明した一般相対性理論を明らかにしました。そしてアインシュタインはこ の理論を全宇宙に適用し、奇妙な予測が導かれることを見つけました。それは、 宇宙全体は収縮したり膨張したりしていて動的であるというものでした。アイン シュタインは自分自身の方程式を信じるのを拒みました。何千年もの間、全て の天文学者が考えてきたように、彼も宇宙の大きさは変わらないと思い込んで いたのです。

ソンブレロ銀河

一方、別の大陸では、アリゾナ州フラッグスタッフのローウェル天文台の 天文学者、ヴェスト・スライファーが、夜空の詳細な研究を終えようとしていま した。彼は自分の望遠鏡で見えた、暗くぼやけた「星雲」をいくつか調べまし た。彼は注意深くその星雲のスペクトル、つまり異なった波長で放射される光 の量を測りました。そして彼はそのほとんどのスペクトルが「赤方偏移」して いる、つまり光が本来の色より赤く見えていることを発見したのです。スライ ファーは、天体の光が赤方偏移しているとき、その天体は地球から遠ざかるよ うに動いていて、その天体の速さは赤方偏移に比例しているということを知っ ていました。そして彼は星雲の速さを計算し、それらがすべて信じられないよ うな速さで遠ざかっていることを発見しました。例えばソンブレロ星雲は時速 400万キロメートルのもの速さで遠ざかっていたのです。

エドウィン・ハッブル

一方、カリフォルニアの天文学者たちは、それまでにない、世界最 大の望遠鏡を造っていました。それはパサデナの近く、ウィルソン山の頂上の、 直径100インチ(2.5メートル)の鏡をもつ新しい望遠鏡でした。1923年、エドウィ ン・ハッブルはこの新しい望遠鏡を使って、ソンブレロ銀河を含むいくつかの 星雲が本当に私たちの銀河系と同じような銀河であることを証明しました。そ して彼はその後10年間、その望遠鏡で観測を続け、何百もの銀河までの距離を測る 信頼できる方法を見つけようとしました。

1929年、ハッブルは自分の測った距離をスライファーの測った赤方偏移と 比較し、今日ハッブル図と呼ばれている有名な図を作りました。ハッブル図は、 銀河の赤方偏移が地球からの距離に比例して大きくなっているということを示 していました。銀河が遠ければ遠いほど、私たちから速く遠ざかっているので す。ハッブルの観測の最も簡単な説明は、ちょうどアインシュタインの方程式 が予測したように全宇宙が膨張しているというものであり、ハッブル自身もそ の案を提案しました。アインシュタインはハッブルの結果を聞いたとき、宇宙 の膨張を理解できなかったのは「私の生涯の不覚である」と言いました。

ビッグバン

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もし宇宙が膨張しているのなら、過去のある時点で宇宙は一点に集まって いたはずです。これはビッグバンとして知られている考えです。ハッブルの発 見とその後のビッグバン理論の発展は、天文学を根本から変えてしまいました。

ビッグバンの理論は銀河系外の銀河の距離と赤方偏移に対するハッブル図 に基づいていますが、この理論はそれ以外にいくつかの予測を導いていて、ハッ ブル以降の天文学者たちはそれが正しいことを発見しました。その中で最も重 要なのは:

1) 宇宙の中にビッグバンより古い星はなく、最も古い星はすべてビッグバンより 少しだけ若いこと
2) 周期律表の中で一番軽い元素である水素とヘリウムの量は、ビッグバンの直後 に生成されたと考えられる量と一致していること
3) どの方向でもほとんど同じ強さで宇宙を満たしているマイクロ 波放射、つまりビッグバンの放射のかすかな名残が発見されたこと

です。1)の観測は、ビッグバン理論の必然的な結果ですが、ただの偶然の 一致と主張することもできます。しかし、2)と3)の観測を説明するようなもっ ともらしい代わりの理論はありません。よい理論は役に立つ理論です。よい理 論は様々な情報を結び付け、幅広い現象を解明する手助けとなるのです。この 点で、ビッグバンの考え方は天文学で最も成功したよい理論の一つです。

ハッブル図プロジェクト

以下のページでは、20世紀の天文学で最も重要な発見をしたハッブルの手順を辿ります。

最初に、SkyServerのデータベースにある銀河をいくつか見て、その等級を 測り、距離の大ざっぱな見積もりをします。そしてその距離とSkyServerの銀 河の赤方偏移の測定を使って、簡単なハッブル図を作ります。

それから、天文学者が銀河までの距離を計算する方法をいくつか詳しく見 て、自分で赤方偏移を求めるやり方を学びます。これらの知識を使って、ハッ ブルがやったのと同じ方法でハッブル図を作るのです。そして最後に SkyServerのデータベースに戻り、自分自身で銀河を探し、まだ誰も作ったこ とのないハッブル図を作るのです。

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