SDSSについて
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観測装置
SDSSは現代的なディジタルな光検出器によりデータを収集します. 測光(撮像)は多数のCCD素子の巨大配列で行われ, 分光は焦点面 から光ファイバーによって光が導かれる二つの分光器で行われ ます.

CCD カメラ

SDSS望遠鏡の心臓部には, 多分これまでに作られた世界でもっとも 複雑なカメラが取り付けられています. このカメラ(左)には, 一つが 5cm角の電荷結合素子(CCD)と呼ばれるシリコンの電子的な光検出器 が30素子取り付けられています. 素子は5個を一列にして一つの 真空容器に入れられています. 検出器の感度を上げるために, 真空容器は液体窒素により摂氏-80度に冷却されています. 一つのCCD素子は, 400万個以上の画素(ピクセル)からなっています. これらの画素に光が当たると, 画素の内部で電子が放出されます. この電子が増幅され電気信号となり, それがディジタル化されて 磁気テープに記録され, 最終的にコンピュータに入力されます. 一晩観測すると, 200ギガバイトのデータが12本のテープに記録 されます. 1列にある5個のCCD素子のおのおのには, 異なる色の フィルターを通して光が入射します. つまりカメラの5行6列の CCD配列(右下の図)の各行は異なった色(波長帯)で天体の明るさ を記録するのです.

右の図はカメラの概念図です. このカメラは, 家庭で使う普通の ディジタルカメラのように静止画を撮るのではありません. 望遠鏡を空のある場所に向けて止めておきます. 地球の自転に 伴う日周運動により空がカメラの上を画素に沿って上から下へと 動いて行きます. 入射光によって画素内で放出される電子(電荷)を, 常に同じ天体からの光による電荷が集められるように, 空が動く速度に同期して, CCD素子中を(クロック信号で)移動させ ます. 移動する電荷がCCD素子の端に来るとそこで増幅器を通って 読み出されます. この読み出しは連続的に行われ, 一回の観測で 空の細長い帯状の領域(ストリップ)の画像が得られます. CCD素子の配列の間には隙間があるので, 完全な画像を撮るには 望遠鏡を少しだけ動かしてすぐ横のストリップをもう一度観測す る必要があります. これら一組のストリップが, 隙間のない一本の ストライプへと合成されます.

分光器

分光用光ファイバーの
穿孔板へのつなぎ込み
望遠鏡の背面.
撮像カメラ(中心部, 黒色)と
2台の分光器(緑の箱)が見える.
分光器とは光を多くの色に分解し, スペクトルとして記録する 装置です. SDSSの分光器は, 一つ一つの天体の距離や化学組成 などを分析します. 天文学者はアルミニウム製の穿孔板に640個の 穴を開けます. それらの穴の一つ一つが空にある銀河, クエーサー, あるいは星の位置に対応しているのです. この穴に光ファイバー(右)のケーブルがつながれます. 光ファイバー は640天体からの光を同時に捕らえ, それを2台の分光器に (1台に320本ずつ)送り込みます. 分光器は天体からの光を 色に分解しスペクトルがCCD素子に記録されます. 3800Å(青)から9200Å (近赤外線) までのスペクトルが2048x2048 画素のCCD素子に記録されます(1オングストローム(Å) は10-10メートル). スペクトルの波長分解能を上げるために, 天体からの光は青色側と赤色側に二分割され, それぞれは別の CCD素子に記録されます. この二分割は, 色分割用の特別な コーティングをしたビームスプリッターと呼ばれる光学素子 によって行われます.   このコーティングは, 赤い方の光を 透過し, 青い方の光を反射するように設計されています.


その結果1回の分光観測では, 分光器1からの赤と青の画像, 分光器2からの赤と青の画像の計4枚の画像が得られます. 穿孔板は望遠鏡の焦点面でカメラと交換できる仕掛けになって います. 天気の良い夜には, 6-7枚の穿孔板を使うことができ 一晩で5000天体ものスペクトルが得られます!

SDSSは100万個の銀河のスペクトルを撮る予定です. この数は 現在利用できるどの赤方偏移サーベイよりも30倍多いのです. SDSSの撮像サーベイでカタログされる銀河のうち r'=17.8等級より明るいすべての銀河を観測するとこの数に なります. 銀河のスペクトルを撮るのに加えて, SDSSでは10万個の (色によって選択された)クエーサー候補天体, 何万個もの星, および多数のX線源や電波源など特に興味を引く天体の スペクトルも撮影します.