研究課題
 基礎課題
 - 宇宙
 - 小惑星
 - スペクトル型
 発展課題
 挑戦的課題
 子供向け
 ゲームとコンテスト
 リンク
宇宙
 簡単なハッブル図
 距離の推定
 赤方偏移の測定
 結論
 あなたの結果

宇宙

夜空を見上げてみましょう。一番明るい星から、一番暗いかすかにしか見えない銀河まで、見えるものは全て同じ宇宙の一部分なのです。私たち人類は、宇宙を150億光年の彼方まで見ることができます。1光年というのは、光が一年間に進む距離のことで、なんと9兆4000億キロメートル(9,400,000,000,000)以上にもなります! つまり、私たちは142,000,000,000,000,000,000,000キロメートル先を見ることができる、ということなのです。宇宙はこんなにも大きいのです!

 

課題 1.私たちが見ることができる、最も遠くにあるものは142,000,000,000,000,000,000,000キロメートルの距離にあります。この距離は、科学的な表記法ではどのように書き表されるでしょうか? どうして科学的表記法を使う方が、この数字を書き表すときに簡単なのでしょうか?

膨張する宇宙

実は、宇宙はまだ大きくなっています。天文学者は、宇宙が膨張している、つまり宇宙のすべての点がお互いに離れていっている、と信じています。星や銀河が大きくなっている、という意味ではありません。むしろ、すべてのものの間にある空間が時間と共に膨張しているのです。

クリックするとアニメーションを再生します

もし、宇宙が膨張しているのなら、過去のある時点で宇宙はある一点から始まったはずです。宇宙は一点に圧縮された状態で始まったとき、とても密度が高く、熱かったのです。天文学者はこの状態を「ビッグバン」と呼んでいます。右側のアニメーションは宇宙の始まりがどのようであったのかを模式図にしたものです。宇宙は大きくなると同時に冷たくなっていきます。図では青から赤に変わっていきます。もちろん、このアニメーションのような宇宙を実際に見た人はいません。このような視点から見るためには、宇宙の外側にいて、宇宙を覗き込まなければいけなかったことでしょう!

どのようにして、知ったのか?

私たちはどのようにして宇宙が膨張していることを知ったのでしょうか? 実は長い間、私たちはそれを知らなかったのです。私たちをあらゆる方向から取り巻く宇宙は膨張していたにもかかわらず、膨張はとても大きなスケールで起こっていたので、私たちは地球の上からそれに気づくことはなかったのです。実際、宇宙が膨張していることが発見されたのはたった80年前なのです。

宇宙の膨張は1929年、アメリカの天文学者エドウィン・ハッブルが発見しました。しかしそれまでのたくさんの科学者の研究もその助けになっています。1915年に、アルバート・アインシュタインが一般相対性理論という重力の性質を説明する理論を発表しました。アインシュタインはこの新しい理論を宇宙全体に適用したとき、自分の理論が宇宙が静的ではいられない、つまり宇宙は膨張している、もしくは収縮している、ということを予言することに気づきました。アインシュタインは、自分自身の方程式を信じることができませんでした。何千年もの間すべての天文学者がそうしたように、宇宙の大きさは変わらない、ということを仮定したのです。

ソンブレロ星雲

一方、別の大陸ではヴェスト・スライファーというアリゾナ州フラッグスタッフにあるローウェル天文台の天文学者が夜空の詳細な研究を完成させていました。彼は望遠鏡を使って、ギリシャ語で雲を意味する"nebulae"(星雲)と呼ばれるかすかな、ぼやけた天体をいくつか調べていました。そして、星雲からの光が以前よりも赤くなっていることを発見したのです。スライファーは、天体の光が本来よりも赤く見えるときにはその天体が地球から遠ざかっている、ということを知っていました。光の赤くなる度合いから星雲の速度を計算してみたところ、それらの星雲は信じられないほどの速さで私たちから遠ざかっていることがわかったのです。例えば、ソンブレロ星雲は一時間に250万マイル(400万キロメートル)の割合で遠ざかっています!

エドウィン・ハッブル

一方、カリフォルニアの天文学者たちは史上最大の望遠鏡を造っていました。パサデナの近くにあるウィルソン山の頂上に作られた新しい望遠鏡は直径8フィート(2.5メートル)もある反射鏡を持っていました。1923年、エドウィン・ハッブルはこの新しい望遠鏡を使って、ソンブレロ星雲を含む星雲のいくつかは実は私たちがいる銀河系と同じようなほかの銀河である、ということを証明しました。そしてハッブルは、1920年代の残りを新しい望遠鏡を使って数百の銀河までの距離を測定する方法を探すことに費やしました。

1929年、ハッブルは自分の求めた星雲までの距離を、スライファーが光を測定した結果と比べました。そして、今日ではハッブル図と呼ばれる図を作ったのです。ハッブル図は銀河の光の赤くなる度合い、つまり地球からその銀河が遠ざかる速さが地球からの距離に伴って大きくなる、しかもそのグラフは直線になることを示していました。銀河が遠ければ遠いほど、より速い速度で遠ざかっているのです。

ハッブルは、空のあらゆる方向を見てもこの関係がなりたっていることを見つけました。彼は、私たちの銀河系は何も特別なものではない、ということを見つけたのです。私たちは宇宙の中心にいるわけではないのです。ハッブル図を説明する最も良い考えは、まるでオーブンの中でパンが膨らむように宇宙全体が膨張している、ということでした。それはまさにアインシュタインの方程式が予言していたことでした。アインシュタインがハッブルの結果を聞いたとき、宇宙が膨張していることに気づかなかったのは自分の「最大の過ち」だと言ったそうです。

アインシュタインはハッブル図によって納得しましたが、他の多くの科学者たちはそうではありませんでした。宇宙が膨張している、ということを受け入れるためには考え方を大きく変えなければいけなかったので、多くの科学者はハッブルの結果を信じようとはしませんでした。そして、ハッブルが見つけた直線を説明する他の方法を考えたのです。

ビッグバンの考え方は、ハッブルによる銀河の観測に基づいていますが、この理論はまた宇宙全体についてもいろいろな予言をしています。最も重要な予言のいくつかは:

1)宇宙で最も古い星でもビッグバン以前に生まれたものはなく、すべてビッグバンのすぐ後に生まれた。
2)宇宙の水素とヘリウムはビッグバン直後につくられた。
3)ビッグバンのかすかな残骸である、「宇宙背景輻射」と呼ばれる宇宙全体を満たす見えない光がある。

そして現在まで、科学者はこの理論の予言のすべてが正しいことを示しました。この証拠によって、今日ではほとんどの科学者がビッグバン理論を受け入れています。ビッグバンの描像をより詳しく調べることが、現在の天体物理学の研究の大きな動機となっているのです。

ユニバース・プロジェクト

すぐに信じられなくても構いません。でも、すぐに自分自身で宇宙が膨張していることを確かめることができます! 次からのページでは、20世紀の天文学で最も重要な発見をしたハッブルの足跡をたどります。

まず、スカイサーバーのデータベースからいくつかの銀河を見ます。そして、およそどのくらいの距離にあるのかを把握するために明るさを調べます。求めた距離と、スカイサーバーの観測で測った銀河の赤くなってい度合いを使って、簡単なハッブル図を作ります。

次に、天文学者が銀河までの距離を計算する方法のいくつかについて詳しく見ていきます。自分で銀河の速度を計算できるようになるでしょう。この知識を使って、ハッブルと同じ方法でハッブル図を作ります。最後に、スカイサーバーのデータベースに戻って、自分だけの銀河を見つけ、今まで他の誰も作ったことのないハッブル図を作りましょう。

「次へ」をクリックして旅を始めましょう