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吸収線と輝線

10.2 eV のエネルギーを持つ 光子が吸収されて、吸収線が生じます。

ここまでくると、星のスペクトルで見てきた山や谷と、 星を構成する原子のエネルギー準位を 関連付けることができるはずです。 すべての波長の電磁波の領域で水素の雲が照らされているとしましょう。 このとき、すべての波長の光が雲を通り抜けるわけではありません。 ちょうど 10.2 eV のエネルギー持っている光子はすべて 水素を通り抜けることがないでしょう、なぜならば、 その光子は水素が1番目のエネルギー準位から2番目のエネルギー準位に 移ることによって吸収されてしまうからです。 同様にして、1.89 eV の光子も雲を通り抜けることができません。 水素原子が2番目のエネルギー準位から3番目のエネルギー準位に移るときに 吸収されてしまうからです。 水素の雲が吸収する光は、その雲のスペクトルでは くぼみとして見えます。

しかし、雲がとても高温のときは、その雲にあるすべての水素が、 電子が原子から自由になるのに十分なエネルギーを お互いに衝突することによって手に入れ、 ガスはイオン化されてしまいます。 この高温の雲の水素イオンは原子に束縛された電子を持っていないので、 光を吸収することはできません。高温ガスのスペクトルを見ても、 水素の吸収線から成る谷を見ることはないのです。 イオン化は、水素の場合は約10000度で起こります。 したがって、高温の雲のスペクトルの中に水素のスペクトル線がなかったら、 そのガス雲は10000度以上であると結論付けることができます。

一方で、雲の温度が低すぎると、光子は、電子を高いエネルギー準位に 押し上げるために十分なエネルギーを持たないでしょう。 この場合も、雲のスペクトルには水素のスペクトル線は現れないと考えられます。 最も水素のスペクトル線が強いのは、雲の温度が約9000度のときです。

水素のスペクトル線がない雲のスペクトルを見たときに、 どのようにして、高温なのか低温なのかを判断するのでしょう? 純粋に水素だけでできている雲の場合は区別できません。 しかし、実際の星は水素のほかにも多くの元素を含んでいて、 これらのほかの元素の吸収線と輝線を調べることができるのです。

実際に観測される星の吸収線と輝線

ほとんどの元素には、その元素からの輝線と吸収線が もっとも強くなる、ある特定の温度が存在します。 星のスペクトルで観測されるスペクトル線はあたかも温度計のように振舞います。 酸化チタンのようないくつかの化合物は非常に低温の星でだけ見られます。 ヘリウムのように、非常に高温の星でだけ見られるものもあります。

したがって、あなたが前のセクションで学んだ OBAFGKM という順序の スペクトル型は、実は O がもっとも高温の星を表していて、 M がもっとも低温の星を表しているという温度の順序になっているのです。

ここで、スペクトル型の順序を暗記するのにいい方法をお教えしましょう。

下の表は、それぞれのスペクトル型の星の温度と特徴的な吸収線と輝線のいくつ かを示したものです。

スペクトル型 温度(単位はケルビン) スペクトル線の種類
O 28,000 - 50,000 ヘリウムイオンの線
B 10,000 - 28,000 ヘリウムと水素の線
A 7500 - 10,000 強い水素の線といくつかの金属の線
F 6000 - 7500 水素の線、 カルシウムイオンの線(HとKでよばれる)、そして鉄の線
G 5000 - 6000 中性、またはイオン化した金属の線、特にカルシウム。Gバンドで強い
K 3500 - 5000 中性の金属、ナトリウム
M 2500 - 3500 強い酸化チタン、 非常に強いナトリウム

おそらくあなたは、これらの元素がどこに輝線を持つかということを 知らないでしょう。   下の表には、これらの輝線の中でもっとも一般的なもののうちのいくつかを、 それがおおよそスペクトル中のどこにあるのかとともに示してあります。

スペクトル線 波長(単位はオングストローム)
Ha, Hb, Hg 6563, 4861, 4340
イオン化したカルシウムのHとK 3934(H), 3968(K)
酸化チタン lots of lines from 4900 - 5200, 5400 - 5700, 6200 - 6300, 6700 - 6900
Gバンド 4250
ナトリウム 5800
中性ヘリウム 4200
ヘリウムイオン 4400

もしSDSSのソフトウェアが使っているすべてのスペクトルの場所を さがすための情報について興味があったら、 ここですべてのスペクトル線についての表を見つけることができます。

問題 4. あなたが作った分類法と、 上にあるような OBAFGKM というスペクトル型の分類を比べてみるとどうですか? 何が類似点で、何が相違点でしたか?

ここで、あなたが以前に見たスペクトルを見ましょう。

 

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問題 5. このスペクトルにはどんなスペクトル線がありますか? イオン化した原子のスペクトルは存在していますか?

問題 6. この星のスペクトル型は何でしょう?

答えが出ましたか? その結果が正しいかどうかについては Next をクリックして次に進みましょう!