他の波長でのサーベイ
可視光は電磁波のひとつの部分にすぎません。
あなたはおそらく、電波、マイクロ波、赤外(熱)放射、紫外線、X線、そしてガンマ線
のような名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
これらは全ての種類の異なる電磁波で、可視光とは単に放射の波長が違うだけです。
私たちの目は、たまたま波長が約5000オングストローム
(5 x 10-7 m)
あたりの限られた電磁波の領域に感覚を持っていて、その領域を可視光と呼んでいます。
この電磁波の領域は太陽の熱放射のピークでもあります。
つまり、私たちの目は太陽の光を受けるのに最大限に
適応しているのです!
SDSSは厳密な意味では、可視光のサーベイではありません。
なぜならばそのカバーする波長範囲は、わずかに紫外線にも、またわずかに赤外線にも
わたっているからです。
現在、可視光とは異なる電磁波でサーベイ観測をしている天文プロジェクトもあります。
 |
画像をクリックすると大きくなります |
そのようなサーベイ観測のひとつが、
2ミクロン全天サーベイ(2MASS、Two Micron All Sky Survey の略)で、
アリゾナとチリにある1.3mの口径を持つ望遠鏡2つを使って、
波長1-2 mm の赤外線で
全天の地図作りをしています。
小さな矮星のような低温度の天体は、その熱放射の大部分を赤外線で放射しています。
そのため、2MASSではSDSSのような可視光でのサーベイでは見えない
天体を見ることができるのです。
2MASSの研究者たちはSDSSと同様に、
データをウェッブ上に公開しています。
2MASSは現在のところ、全天の約半分のデータを公開しています。
2MASSもSDSSのように、3つの異なるフィルターを通して取られた画像を
重ね合わせて、観測された天体のカラー画像を作成しています。
2MASSのフィルター(J、H、Kフィルターと呼ばれる)は赤外線の
スペクトルの中で、1.25 mm、
1.67 mm、
そして2.17 mm 付近の波長を透過します。
2MASSのウェッブサイトの様式に従って画像を検索すれば、
これら3つのフィルターで得られた生の画像を見ることができます。
SDSSSkySErverの「有名な場所」にある天体のいくつかは、
2MASSサーベイでも見ることができます。
2MASSで得られた画像をいくつか見て、
それらがSDSSで得られた画像とどのように違うのかを見てみましょう。
|